白鹿杯
は、宮原仁が個人で主催するクイズ大会です。
主催者
宮原仁
読み:みやはら じん
1996年8月6日生まれ
奈良県出身、東京都在住
京都大学クイズ研究会でクイズを始める(2016年4月)
おもな戦績
EQIDEN2018 優勝(京都大学のメンバーとして)
abc the17th 準優勝
AQL2021 優勝(クイズサークル「椿」のメンバーとして)
理念
2018年の第1回開催当時、私は京都大学の3年生でした。
abcに向けての対策となるような大会が、近畿地方にもあるといいなという思いから開催を思い立ちました。
通常の白鹿杯の参加レギュレーションはabcと異なり、大学院生まで参加できるものとなっています。
(第4回は未開催期間が長かったことを鑑み、第3回に参加できた方が参加できるよう設定しています)
これは、当時Mutiusでは学部生・院生の会員の区別があまり強くなかったため、普段の活動に参加している先輩たちも参加できるようにしようという考えから設定したものです。
問題
白鹿杯の問題傾向について、「短文・基本問題」を中心に構成するとのみ表記してきましたが、「短文・基本問題とは何か?」という厳密な定義は難しい問題です。
これまで私はこの点について言語化することを怠ってきました。
その大きな理由のひとつは、言葉足らずになることを恐れたことです。出題する約1,000問について、また、出題しない問題について、「なぜ出題するのか」「なぜ出題しないのか」を漏れなく言い表す基準を、私の稚拙な文章で記述することは不可能であろうと思ったからです。
しかし、昨今クイズをする人口は増えており、「いつもの感じで」というような同質性の高い集団でのみ通じる基準を、この先もずっと維持していくことは困難であろうと思います。
そこで、 必ずしも完全な説明にはならないと思いますが、 今回初めての試みとして、白鹿杯における「短文・基本問題とは何か?」という基準を言葉で表現します。
以下の文章を読むにあたりご理解いただきたいことは、私の脳内には「私にとっての短文・基本問題とはこういうもの」という基準が既にあり、それに基づいて問題を選定しているということです。以下は、この脳内にしか無い基準の言語化を試みたものであり、以下の文章に定義された基準に基づいて問題を選定するのではないことをご承知おきください。
また、「短文・基本問題が中心」というだけで、この基準から少々外れていることを承知で出題する問題があることも併せてご承知おきください。
(これは問題数を確保するという実務面からの要請によるところが大きいです)
基準
①短文であること
白鹿杯で出題するクイズの問題文はおおむね80文字以下です。ただし、abcのような厳密な文字数制限は設けていません(abc対策として行った第3.5回は例外)。
理由は、文字数が多いことと早押しクイズの問題文として長いこととは違うと考えるからです。
以下の例をもとに説明します。
例題1:一時期、ポール・ゴーギャンと共同生活を送った、代表作に『星月夜』や『ひまわり』がある画家は誰でしょう?
正解:フィンセント・ファン・ゴッホ
例題2:一時期、フィンセント・ファン・ゴッホと共同生活を送った、代表作に『タヒチの女』や『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』がある画家は誰でしょう?
正解:ポール・ゴーギャン
例題1は80文字以下、例題2は80文字を超過する問題文です。
しかし、2つのクイズの構造は同じであることが分かって頂けると思います。いずれも「共同生活」に関することと「代表作」に関することに触れた後、「画家は誰」という問いの部分があります。つまり、文字数は変わっても、構造ごとに区切ったときの数はどちらも同じ3つであるということです。
このように「構造の数」が3つ以下である問題については、80文字を超過していても短文として扱うことがあります。
②基本問題であること
「基本問題とは何か?」という問いに、誤解を与えることを承知で短い解答をするなら、「有名」と「素直」という2つの条件を満たしている問題のことだと思います。
・「有名」について
「有名な事柄にまつわるクイズ」であることが第一の条件です。
とはいえ、人間は一人一人何を知っていて何を知らないかは異なり、万人にとって有名な事柄というものは存在しないでしょう。
この点について、基準を統一的に記述できる言葉を私はまだ持っていません。
言うなれば、私の想定する「通常人」を基準としているので、その感覚がずれているとなればどうしようもありません。
ただ悪あがきとして外縁に近い例を挙げておこうと思います。
第3.5回白鹿杯では「ヤニス・アデトクンボ」が答えのクイズを出題しましたが、バスケットボールを知らないし、スポーツニュースもあまり見ないという人にとっては有名でないものの問題ということになるかもしれません(当日も正解は出ませんでした)。しかし、これは私にとっては「基本問題」として出題するに足る問題でした。
ヤニス・アデトクンボはNBAの名プレイヤーで、「バスケットボール」というスポーツに触れている多くの人にとっては有名な人物です。ここで「バスケットボール」に触れている多くの人を「通常人」に含めるかということが問題になりますが、「バスケットボール」は非常にメジャーなスポーツで、「バスケットボール」というスポーツの存在はかなりスポーツに疎い人でも知っているでしょうから、それに親しんでいる人を「通常人」に含めることは不自然では無いと私は考えました。であれば、「ヤニス・アデトクンボ」は「通常人」というフィルターを通して見たとき有名といえると判断したのです。
正直、この点について十分に言語化できていない自覚はありますが、このあたりが今の私の限界です。
・「素直」について
「素直な問題であること」が第二の条件です。
題材にする事柄の「枝葉」の部分ではなく、「核心部分」をストレートに問う問題が「素直な問題」です。
具体的を用いて説明します。第3.5回白鹿杯では「シェリー酒」の問題を出題していますが、これは「シェリー酒」は上の有名の条件を満たすと判断したからです。
ところでこの問題文中には「ベネンシア」というシェリー酒を注ぐのに使うひしゃくが登場するので、以下のような問題を作ることもできます。
シェリーを注ぐのに用いる細長いひしゃくを何という?
このように、「有名な事柄にまつわる問題」であったとしても「枝葉」の部分を問う問題は「基本問題」からは外れます。
この問題の題材にした「有名な事柄」とは「シェリー」であって「ベネンシア」では無いからです。
ただし、第3.5回白鹿杯では以下のような問題も出題しています。
アメリカの二大政党のうち、現大統領ジョー・バイデンが所属しているのはどちらでしょう?
正解:民主党
これは「ジョー・バイデン」という事柄の枝葉部分を問う問題のようにも見えますが、なぜこれが素直な問題と言えるかというと、これは「ジョー・バイデン」ではなく「バイデン大統領が民主党所属であること」を題材にした問題であるからです。 題材とする事柄は、必ずしも一言で表せる概念に限りません。
他にもサッカーワールドカップの出場国数に関して「48」が正解になるクイズも出題していますが、これも「出題国数が48チームになること」を題材にしたクイズとして素直な問題になっています。
上の例に戻ると、「シェリー」ではなく「ベネンシア」を題材にしたクイズとして、ストレートな問題になっていると思います。これを出題しないのは、「ベネンシア」が基本問題の題材になるほど有名な事柄では無いからです。
この「有名」「素直」という2つの条件を満たすものが「基本問題」である、というのが、現状私の考えている基準を言い表すに最も相応しい表現であると思います。